自民党・新「修正案」の危険性を暴き、
共謀罪永久廃案への道を切り拓こう!

「小さく産んで大きく育てる」欺瞞的手法を使った
現代版治安維持法制定を許すな

 ●支持率低下を現代版治安維持法制定で超えようとする愚かな安倍政権  

 1月25日に開会した通常国会は、6月23日までの150日間だが、既に荒れ模様であり、会期中の4月8日・22日には統一地方選が、7月には参院選挙が予定されている。共謀罪法案については、12月下旬以降、早くも、与党国対が修正を臭わせながら「通常国会先送り」「7月参院選後成立」などと「死んだふり」作戦継続をリークしていた。反対運動沈静化・分断をあからさまに狙うものであった。しかし1月19日、「テロ」対策なら何でもありとする安倍首相が突如、通常国会で成立を目指すよう指示した。支持率急落の中で自らの政権浮揚策として現代版治安維持法を制定せんとする愚かさは笑うしかないが、安倍の指示は「死んだふり」作戦の本音と内閣・与党間の軋轢を露呈するものであった。ドタバタ劇のすえ、参院選を睨んだ国会運営上の都合で安倍・法務省はトーンダウンせざるを得なかったが、現在、共謀罪制定に固執する早川忠孝議員らが主導する自民党法務部会が新「修正案」を検討しており、共謀罪法案の行方は予断を許さない。

 ●自民党「修正案」の欺瞞性     

 自民党政調法務部会「条約刑法検討に関する小委員会」が、2月27日対象犯罪を削減することを骨格とした修正案要綱を発表した。安倍首相指示のドタバタ劇以降、週1回の会合を重ねて案をまとめたものであり、以降、法務省などと調整しながら修正案を作成するとされる。
 修正案の骨格は、既に昨春国会で民主党案丸呑み詐欺破綻後に提示された「与党最終試案」(06.6.16)とほぼ同じである。「組織犯罪集団への限定」とは名ばかり、民主党や日弁連が求めた「越境犯罪への限定」は拒否するというものであり、検討にすら値しない。その線でいくら対象犯罪を限定しても、本質的に曖昧たらざるをえない内心処罰=共謀処罰規定を大量に刑事法の中に新設し、警察に市民生活を常時監視する権限を与えることに変わりはないからだ。
 新しいのは、@共謀罪の名称を「テロ等謀議罪」に変え、A対象犯罪を絞るということだけだ。しかしこの修正も欺瞞的である。@「テロ等謀議罪」という名称変更で「労組・市民団体が対象外であることを明確にする」と言うが、そもそも「我が国の法律においては、いわゆるテロの定義は存在しない」(『警察学論集』2007.1月号)なかで、それは不可避に恣意的なものにならざるを得ない。国連テロ資金防止条約すら不当に「公衆等脅迫目的の犯罪行為」にまで拡大解釈して、2002年に立法化したのだ。同法では、今、パレスチナの内閣を主導しているハマスの病院建設にカンパするだけでテロ団体への「資金提供・資金収集」と見なされうる。自民党修正案の対象犯罪リストにも同罪が規定されているが、これだけで「衣の下の鎧」が見え見えである。A対象犯罪の数は確かに従来の政府案より絞られている。しかし、法案がいったん成立してしまえば対象罪種の拡大など何時でも出来るというのが治安立法の常套手段であり、警察がフリーハンドになることに変わりはない。既に「小委員会」2月6日案には逮捕監禁(団交)や建造物損壊(トイレの落書)、資金提供(カンパ)が「テロ犯罪」、詐欺が「組織犯罪」とされていたが、警察庁の横車で傷害や有価証券偽造まで対象犯罪に組み込まれた。自民党は対象犯罪削減を売り物にし、かつ「共謀罪」の名称を捨て「テロ等謀議罪」でキャンペーンを図ろうとしているが、その魂胆は見え透いている。

●自民党法務部会は恥を知れ!

 自民党法務部会の策動は道理も論理もない、破廉恥なものである。彼らは今、"従来の国際的組織犯罪条約に関する政府解釈に囚われず、与党としてまとめる"との構えで修正案作りをしている。@しかし法務省・外務省と共に国連条約の政府解釈に基づく立法化をごり押ししてきたのは与党法務部会ではなかったか。自らの国会質問を読み返せば赤面するだろう。条約の「重大犯罪」規定(4年以上)にとらわれないでリスト化するというのなら、ここ数年来、「条約に規定されているから」「リスト化しない」と強弁してきた外務省・法務省・警察庁の大臣・官僚、与党法務委員全員が辞職してからにすべきである。A自民党政調法務部会が検討している案は、趣旨からして「条約刑法検討に関する」ものではない。国際的組織犯罪条約はマフィアなど組織犯罪対策が趣旨であり、「テロ」規制とは関係ない。「修正案」は国際的組織犯罪条約批准に名を借りて、別個の「テロ対策法」を提案するものだ。であれば、まずは共謀罪法案を廃案にすべきであろう。あるいは「条約刑法検討に関する」新案だというのなら、まず条約についての自民党見解を明らかにしてからにすべきである。国会のなかでは、民主党など野党によって、国連での条約審議及び各国の批准に係わる重大な疑念が指摘され、法務省・外務省が答えられず立ち往生している。自民党法務部会も両省と同罪であり、「議員立法」だからという言い訳は通らない。国会審議を長期に混乱させ、労働者民衆を欺いてきた責任をとるべきである。

●追いつめられた政府・自民党       

 自民党法務部会は、2月20日のヒアリングで日弁連が反対意見を述べたにもかかわらず、その片言隻句を捉えてか、何と「日弁連が修正原案を評価」(『読売新聞』20日WEB版)したと流した。日弁連をはめ込み、マスコミを使ったキャンペーンで闘争沈静化・分断を図る意図があからさまである。すぐにバレル嘘を使ってでも、とする卑劣さこそ、追いつめられた自民党の姿だ。
 闘いが政府・与党を追いつめたことは明らかである。政府・与党は、法制審議会以来、共謀罪法案は@国内的には共謀罪を創設する立法事実はない、A国際的組織犯罪条約批准のための立法である、Bしたがって対象罪種の限定など条約に抵触する修正は出来ない、などと主張し続けてきた。しかし、与党修正案濫発、そして今回の修正検討によってBの論拠は最終的に崩壊した。Aは既にアメリカの条約第5条留保などで、そのウソが暴かれている。残るのは@「国内的には立法事実はない」との答弁を撤回し、これまた立法事実のない「テロ」対策を口実にして、強行突破を図ることだけである。もはや共謀罪であれ、参加罪であれ、新治安立法を進める根拠は理論的・政策的には何もない。
 自民党法務部会は、共謀罪攻防で追いつめられ、「テロ」対策に執着する安倍首相指示に乗っかって起死回生の巻き返しに転じてきている。自民党案の性格を一言でいえば「小さく産んで大きく育てる」作戦に転じたということである。「疑わしい取引」届出義務化法(ゲートキーパー法)と同じく治安立法の常套手段だが、この攻撃的性格を甘く見るわけにはいかない。ここでの勝負所は、国会審議の展望すらない早川忠孝議員らの猪突猛進を大衆闘争・世論の高揚で葬り去りうるかどうか、修正案の欺瞞を大衆的に暴けるかどうかにある。ドタバタ劇のすえ楽屋裏をさらけ出して進む法務省・自民党の攻撃を打ち砕きうるなら、永久廃案の道は拓きうる。敵の種がつきるからだ。

●今こそ「共謀罪廃案へ!」の闘いを強めよう

 闘いは「これだけ疑念が指摘された法案も珍しい。…政府は白紙に戻して議論する覚悟がいる」とマスコミが言うところまではきている。問題は、それを力として、どう発現できるかである。今春季攻防の様相が定かでない難しい状況を、運動の側からどう廃案に結びつけていけるか、ここからが胸突き八丁の正念場となる。改めて闘いの戦略・創意工夫をこらす必要が問われている。
 廃案をめざす民衆運動の持続と高揚を勝ち取ろう。反対の声が欺瞞的な修正によって沈静しないこと、自民党・新「修正案」など認めないことを、絶えず政府・与党に突きつけよう。弁護士会など様々な領域での闘いをグレードアップし、国会内外を貫いて、総体としての共謀罪反対闘争ー治安立法反対闘争を強化しよう。法案をめぐる閣内不一致、与党内の温度差、共謀罪というオールマイティーを手にしようとする警察の永田町制圧策動や組織的腐敗を暴露しよう。廃案を勝ち取るために、反転攻勢を仕掛けよう!
 今春こそ、共に勝利に向け前進しましょう。

破防法・組対法に反対する共同行動

東京都新宿区西早稲田2-3-18-31日本基督教団社会委員会気付 TEL 03-3207-1273


 ■3月17日(土)戦争と治安管理に反対するシンポジウムV
         (14時〜20時、南部労政会館、大崎駅下車、同実行委主催)
 ■4月 6日(金)共謀罪全日行動(8時30分〜13時:衆院第2議員会館前
          →14時〜16時:銀座マリオン前リレートーク・情宣)
 ■4月28日(土)「1億二千万 共謀の日W」(全日、全国各地、「署名運動」主催)

ホーム