共謀罪の新設について国民的な議論と含意の尊意を求める意見書  今秋招集される臨時国会において、共謀罪の新設を含む「犯罪の国際化及び 組織化並びに情報処理の高度化に対処するための刑法等の一部を改正する法 律案」(収下、「共謀罪新設法案」と略記)が継続審議されることになっている。  共謀罪新設法案は「4年以上の刑を定める犯罪」(その数は万引きや殺人な ど619の罪)について「共謀」したものを処罰(2年若しくは5年の刑)す るものである。  「共謀」とは、我が国の判例では「意思の連絡」で足りるとされており、黙 示の共謀もあるとされている。共謀罪が新設されれば、犯罪を実行しなくても、 ただ話し合っただけで、あるいは同じ団体の構成員であるというだけで、処罰 されるおそれがある。これは法益を侵害する実行行為の処罰を原則とする刑法 体系を揺るがすことになりかねず、また、個人の意思や思想を処罰することに 通じる疑念がある。  共謀罪新設法案は、国連総会で採択された国際的(越境)組織犯罪条約の批 准に伴う国内法の整備という名目で提案されている。しかし、同条約の第34 条第1項及び国連が作成した立法ガイドには、国内法優先の原則が明記されて いる。  このことを踏まえて、既存の国内法整傭によって批准ができないか、など十 分に議論を尽くすべきであると考える。  よって国においては、憲法の保障する碁本的人権を侵害しかねない共謀罪の 新設については、幅広い国民的な議論と合意を優先させて、慎重な審議を求め るものである。  以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。  平成18年9月27日                   富 士 市 議 会