3・9「共謀罪に反対する集い」院内集会
2006年3月9日 衆議院第2議員会館第1会議室 12:00〜13:30)
■2月14日に与党から野党に修正案が提示された後、いつでも審議に入ってもおかしく無いという緊迫した国会情勢の中、120人が参加して行われました。この日の院内集会では、それぞれのフィールドからの発言を受け、この日までに集まった署名6342筆を、参加した国会議員を通じて衆院議長に提出しました。以下、発言を中心に少し詳しく要約したものを掲載します。
・司会(足立昌勝関東学院大学教授)
「2月14日に自民党から修正案が提出されました。与党は審議打ち切り、強行採決かを迫って来ています。共謀罪は社会そのものを変えてしまうので、絶対反対。世論の高揚が求められているのではないでしょうか」
・保坂展人衆議院議員(社民党)
「特別国会の衆議院法務委員会では、最初修正案はまとまっていなかった。いろんな事情と世論の力が強行採決させなかった。今回出された修正案では犯罪組織に限ると言っている。与党・自民は固い姿勢、共謀罪は採択してしまえという姿勢。共謀罪は目くばせ一つでも成立する。共謀罪は徹底的に審議しなければならない。しかし残っているのは修正討議。最悪の展開ならかなり早く進む。来週の半ば以降入る可能性がある。共謀罪は居合わせただけで共謀しただろうとされてしまう。えん罪が増える。自白偏重となる。そんなこと考えてなかったと証明できるだろうか。共謀罪の恐ろしさをどうやって多くの人に訴えたらいいのか。反対じゃない人にもわからせていく。修正でいいという与党の人にも話し合う。新しい始まりのきっかけとなることを願っている」
・山下幸夫弁護士(東京弁護士会 日弁連ワーキングチーム)
「自民党は野党をまきこんで可決したいと思っている。共謀罪は7回目の国会に入っている。これまで2回廃案になっている。普通であれば、これ以上もたない。ところが共謀罪だけは無理矢理上程、とにかく早く成立させたいとしている。再来週3月21日に審議入りたい、与党だけで修正案提出、3月31日までに可決・採決すると、与党は考えている。今国会で通さなければと強い決意で臨んでいる。厳しい攻防に入る。修正案は、共謀罪の危険性がまったく払拭されていない。したがって、反対の態度を変える必要はない。犯罪は誰が認定し作っているか。警察である。たとえば立川テント村ビラまき弾圧事件では、ピザのちらしは関係なかった。イラク派兵反対のビラまきが建造物侵入罪となった。同じような行為でも、警察の判断次第で犯罪になる。自分がやっていなくても、警察がやったと言えば、犯罪になる可能性がある。何の犯罪が発生していなくてもなる。そうでないという証明はむずかしい。ないものを証明できないからです。あやしい証拠は、やっていないとしか証明できない。えん罪が増える。警察にとって都合の悪いものを怪しいといえば検挙。警察のシステム自体がおかしい。市民の運動、野党の活躍が重要、共謀罪の成立をなんとしても阻止したい」
・辻元清美衆議院議員(社民党)
「今度の国会に提出予定の国民投票法案、教育基本法改悪案と共謀罪は根本は同じ。絶対に阻止してゆかなければならない」
※共謀罪反対署名が6342筆集まったことが報告され、請願書が保坂展人氏に渡された。
・朝倉淳也弁護士(第2東京弁護士会副会長)
「共謀罪は実行行為がなくても犯罪とされる。内心の処罰と紙一重。テロ防止、国際的組織犯罪対策といいながら、越境性がない。修正案が出されても変わらない。こんなこと言ったらつかまってしまうのではないかというような社会となる。共謀罪はぜひ廃案を! 第2東京弁護士会も反対運動に全力をあげる」
・平岡秀夫衆議院議員(民主党)
「共謀罪は問題点が多い。前国会で民主党は廃案を主張したが、与党の多数決で継続審議となった。今国会は対決法案が多い。代用監獄法案、出入国管理法改正案、少年法改正案など。共謀罪は与党は早く成立させたいと考えている。民主党の西村議員の事務所に組対法を適用した。組織的犯罪集団ではなかったのに。特別国会で政府は、法務省は組織的犯罪集団にならないと答弁した。民主党は慎重審議を求めている。自民党の修正案はまったく修正とは思っていない。弁護士の知恵とみなさん方の強力なバックアップをよろしく」
※残りの請願署名を平岡氏へ渡す。
・野田隆三郎岡山大学名誉教授
「岡山県の市町村議会に共謀罪についての要請をした。地方議会で共謀罪について五つの市町村が『共謀罪の新設について慎重な国会審議を求める』意見書を採択した。共謀罪と同様に憲法9条の闘いも絶対負けられない。憲法9条を変えることの模擬投票を岡山大学でおこなった、反対72%、賛成15%だった。こういう世論に確信をもって共謀罪と改憲に反対してゆきたい」
・玉本雅子氏(日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会)
「共謀罪は知らない人がほとんど。反対している人は何か悪いことをしている人達、何もしなければこんなこと反対しなくていいんじゃないと思っていた。しかしよくビラなんか読んで、大変なことだなと思うようになった。日常生活の中にどういう影響を及ぼすのか。内容をきちんとわかっていただく運動をしていかなければならない。619の罪名、適用が広すぎる。夫婦、友達でも会話、冗談、目くばせが共謀罪の適用対象とされる。これでは安心した生活は送れない。組織犯罪規定があいまい、座り込みや不買運動が威力業務妨害罪とされてしまう。危機感を持って反対したい」
・表現者(京都)
「共謀罪は国会議員も無関係でない。政治活動、議員活動も対象となる。“共謀罪って何だ”というホームページを見てください。共謀罪は霊感商法。共謀罪反対運動にとってメディアへの働きかけが重要」
・福島みずほ参議院議員(社民党党首)
「共謀罪反対の闘いは正念場を迎えた。共謀罪新設法案、国民投票法案、教育基本法改悪案の3点セットをどう阻止するのか。共謀罪の廃案めざして一緒にがんばっていきましょう」
・山岡俊介氏(フリージャーナリスト)
「一般の人は共謀罪は自分たちに関係ないと思っている。共謀していませんよと証明することはむずかしい。警察にたてつく弁護士、ジャーナリストなどがいなくなると、一般市民は対抗する手段がなくなってしまう。やっていないと証明できないようなそういう法律はなくていい」
・岡田靖雄氏(精神科医)
「医療観察法に反対している。病気のため再犯のおそれあるかどうか。問題になっているのは、“おそれ”。共謀罪も“おそれ”です。あらかじめ予防するという考えで、治安国家になってきている。観察法の施行、廃止をめざす運動をおこなう。予防とは、何をやったかでなく、人間の心の中に踏み込んでいくことです。共謀罪が成立すると、権力が心の中に踏み込むような法律ができることになる」
・高山智司衆議院議員(法務委員会理事)
「来週で予算関連法案通る。世間は共謀罪あっていいんじゃないのという人が多い。共謀罪は立法趣旨に合っていないんじゃないのと世論を巻き起こしていきたい」
・星川淳氏(グリーンピース・ジャパン事務局長)
「権力、大資本に対し対決的なアクションをやっている。先日も六ケ所再処理工場稼働に反対し、経済産業省のビルの壁にプロジェクターによるアクションをおこなった。共謀罪が成立すれば、組織として成り立たない。グリーンピースは、共謀罪に組織として反対していく」
・土屋翼氏(国賠ネット代表)
「戦前は国家賠償がなかった。共謀罪が成立すれば、国家賠償そのものがなくなる」
以上、1時間30分に及ぶ熱い院内集会でした。