3・9共謀罪を廃案へ大集会
主催:共謀罪新設反対 国際共同署名運動 永田町・星陵会館 18:30〜21:00
集会参加者240名
■共謀罪粉砕の歌(「権力の不当な監視・弾圧と闘い共謀罪を粉砕する歌」ほか
ヨッシーとジュゴンの家
・司会 宮本弘典氏(関東学院大学教授)
■呼びかけ人あいさつ 足立昌勝氏(関東学院大学教授)
「共謀罪法案は昨年の特別国会で三度上程され、継続審議となっている。共謀罪は、これまでの行為原則、処罰原則、刑法原則をひっくり返すもの。注意しただけ、話し合っただけで処罰する。既遂原則、未遂例外でなく、決意・合意段階を処罰。619罪に適用する。予備・未遂で処罰されない犯罪に、なぜ共謀で処罰するのか。いくら修正しても本質は変わらない。2月14日、自民党は非公式に修正案を提出した。この修正案は絶対に納得できない。私たち民衆に必要のないもの。永久に廃案にもちこむため、ともにがんばっていきたい」
■国会報告と議員の決意
・松岡徹参議院議員(民主党)
「共謀罪はこれまで二度も廃案になっているが、またぞろ出てきた。民主党は与党圧倒的多数のなかで廃案めざしてがんばっている。特別国会では共謀罪の法案の問題点が明らかになった。条約の主旨、日本の刑法原則に反しているのが共謀罪。組織の一部が犯罪にかかるようなことを相談すれば、共謀罪の対象になるのか。たとえば、警察や民間会社での裏金・横領は共謀罪の対象になるんではないか。政府は、『対象にならない』『警察を信用してくれ』と言っている。修正案の中身の団体規定、『それらの犯罪を遂行』、『資する』はあいまい。まったく変わっていない。民主党はこのような修正案を受け入れるつもりはまったくない。自分の行為が警察によって判断されたくない。共謀罪は、国家のいうことをきかないのは犯罪者とする、戦前の治安維持法と同じ。最後まで闘いぬく」
・近藤正道参議院議員(社民党)
「社民党も共謀罪の廃案をめざして全力でがんばる。与党は全力で共謀罪を通そうとしている。修正案が民主党の方に出されている。今国会では三番目に共謀罪が予定されている。来週後半から緊迫した状況となる。3月20日から3月末にかけ衆議院は大きな山場を迎える。巨大与党にどうして対抗するか。共謀罪は現行憲法の枠に収まらない。現在の法律では考えただけで処罰されない。共謀罪は、思っただけで目くばせしただけで処罰される。このような罪が一挙に619成立する。社民党は、国際的組織犯罪条約そのものにも反対してきた。共謀罪は条約の越境性・組織性さえ示さない。マネーロンダリングについて暴力団に適用と言っていたが、民主党の西村真吾議員へ適用した。なぜ共謀罪をつくるのか。『テロ防止』とか言っているが、ミサイル防衛の予算が突出している。九州、佐渡、青森に新型レーダー、イージス艦と連動、青森県の空自分屯地には米軍のXバンド・レーダーが、横田基地には日米統合共同運用調整所が設置されようとしている。戦争からはみ出すものをおさえつけるために共謀罪はある。廃案しかない」
・喜納昌吉参議委員議員(民主党)
「共謀罪というから、凶暴犯人逮捕かと思っていた。しかし、これは戦前の特高と同じ。言論の自由を奪う共謀罪は反対」
■講演 「共謀罪の狙い」 内田博文氏(九州大学教授、刑法)
「共謀罪について、@法案と条約、A国内的意味、B反対・対応の3つに分けて話します。
@法案と条約
国際的組織犯罪条約批准のための国内法整備として共謀罪が出されてきた。条約3条1項の適用範囲で、越境性と組織的犯罪集団がポイント。法務省は、共謀罪を条約規定に無関係に立法。当初は自国の国内法の基本原則に従うと言っていた。条約5条の『組織的な犯罪集団への参加の犯罪化』で、合意の内容推進行為または組織的犯罪集団関与の二つを規定している。しかし共謀罪はこの条約の主旨に反している。越境性がはずされている。組織犯罪集団性がない。与党の修正案でも越境性がはずされている。団体の活動、資する行為という規定があいまい、目的要件の歯止めとして果たしていない。罪刑法定主義からも問題である。労働組合、市民団体、宗教団体などが処罰の対象とされてしまう。今は共謀罪の対象でなくても、法定刑を引き上げれば共謀罪の対象となる。現在、法定刑引き上げ傾向があり、拡大の可能性がある。純粋な共謀罪をめざしていたが、修正案で『共謀に掛かる犯罪の実行に資する行為』というのを付け加えた。これは幇助行為よりきわめてあいまいな概念。主観的に認定される可能性が高い。
A国内的意味
明治憲法は主観主義犯罪論だった。現行憲法は客観主義犯罪論をとっている。戦前は『罰すべきは行為でなく、危険な対象』、戦後は罪刑法定主義となった。共謀罪は、戦前の刑法へ回帰、例外の原則化・一般化となる。治安刑法による一般刑法の浸食である。国家警察権の全面的介入となる。予防刑法が実現するだろう。現在の共謀共同正犯で黙示の共謀を認めている。一部の共謀で全部の共謀と認定。ある団体に所属すること自体が犯罪とされる。犯罪予防ということは、国などによる日常的国民監視がいっそう常態化する。密室で共謀が常ということで、室内に潜入、盗聴装置が仕掛けられる。日常的国民監視は、共謀罪成立に不可欠となる。アメリカでは野党のみならず与党にも盗聴が及んでいる。日本だってそうならない保障はない。国家による監視、団体の活動目的、組織的・政治的行為、思想に対する選別管理となる。治安強化は深刻な人権侵害をもたらす。韓国は国内人権機関がある。日本はない。めどが立たない。盗聴法は4つの犯罪に適用対象が限定されているが、共謀罪が成立するとその対象は619まで拡大する。共謀罪では自白が最大の証拠とされる。誤判の確率が高くなる。戦争中は、話を聞いていただけで治安維持法違反とされた。今、テロ対策の名のもとで、一般市民が予防刑法の対象となる。共謀罪について『国内に立法事実はない』と法務省は説明していたが、しかしなぜ成立を狙うのか。警察当局に対する不審を呼びかねない。
B反対・対応
国際的犯罪には、戦争、貧困、宗教、軍隊など複雑な問題が背後にある。政府みずからが越境性、組織犯罪性に限定し、大幅な修正をすべきである。条約の主旨を超えた共謀罪の成立強行は矛盾姿勢である。今回の修正提案はきわめて不十分であり、抜本的な大幅修正が必要である」
■カンパアピール
■リレートーク
・山岡俊介氏(フリーライター)
「企業事件を担当している。マスコミが腐っている。大手マスコミの取材は警察発表ばかり。これからはインターネット、ブログ、映像インターネットTVだと思う。組合で共謀罪反対の報告をする」
・野田隆三郎氏(岡山大学名誉教授)
「共謀罪がひどい法律だということを一般の人は知らない。地方議員も知らない。郵送で陳情・請願した。岡山の三つの市町村議会で採択された」
・大西章寛氏(立川反戦ビラ弾圧被告)
「自衛隊官舎にビラをまいただけで73日間勾留された。高裁で逆転有罪判決が出た。表現活動の弾圧を狙っている。ビラの内容で判断・選別している」
・藤田勝久氏(板橋高校元教員、「君が代」弾圧被告)
「卒業式で270人の生徒が一斉に座った。民主党の土屋都議が『日本人か、起立しろ』と叫んだ。裁判は3月23日結審となる。卒業式の会話まで録音している。共謀罪は自主的に動いているような感じがする」
・中村順英氏(日弁連副会長)
「自民党の修正案は、本質的には何も変わっていない。3月中には審議に入る可能性が強い。共謀罪の核心は、行為がなくても処罰することであり、そんなことが許されるだろうか。共謀罪の概念はきわめて広い。国家に都合の悪い者をつまみだして処罰する。投網をみんなにかけるような状態にして、一部の者をつかまえるようにする。国家が恣意的な処罰をすることを許さないという原則を守る。日弁連はこれまでどおり反対を貫いていく」
■決議文を山脇晢子弁護士が読み上げ、最後に司会者から、今日現在集まった署名6342筆を国会議長に提出されたことが報告されて終了しました。